みんながやさしい、みんなにやさしい「ユニバーサル都市・福岡」の考え方を広く市民に伝え、市民のユニバーサルデザインへの理解・促進を図るために、2012年10月5日から7日までデザインチャレンジワークショップを実施しました。
テーマは「「博多のまちを『インフォハブ』にする」です。生活者とデザイナーが一緒に課題の解決方法を考える先進的な手法「インクルーシブデザイン」を使って、みんながやさしいみんなにやさしい福岡発のデザインにチャレンジしました。プログラムの指導は、世界的に活躍されているユニバーサルデザイン専門家のジュリア・カセム氏が行いました。
Aチーム:健康-博多きてんプロジェクト
デザインパートナーの視覚障がい者と外国人が感じる博多駅における問題点を通して、多様な人々が利用可能な情報提供およびサービスのためにどのように解釈しデザインするか、課題をあげました。博多駅における課題は①どこにいるか分からない、どこが魅力的で楽しい場所か分からない、②いざというときにどうしたらいいか分からない、の2つです。問題点を通じて発見したまちの健全な姿とは(健康とは)、回遊性があり交流が活発に生まれ、人と情報が滞りなく循環している状態と位置づけ、情報拠点のシンボル化やサポート体制(情報/人的サポート)の明示、旅行者同士が交流できる仕組み、情報の集積と発信ができる仕組みづくりとネットワーク化を検討しました。
Bチーム:生活-知恵の共有 THE RING
博多駅を訪れる生活者たち一人ひとりの持つ生きた情報を集め、共有することができたら、駅の情報源としての働きはどの様に変わるだろうか。生活者が肌で感じ考えた、鮮度のある情報を「ストック、ブラウズ、検索」できる情報システムをデザインしました。情報を視覚化し常に流しけることで、まず、「何が知りたいのかが分からない、情報との出会い方が分からない」人々に、情報との出会いのきっかけを提供します。人々は、常に横を流れる情報をキャッチし、他の人がリリースした生きた情報を得ることができます。有用な情報は次第に大きくなり流れ続けます。博多駅を拠点にその周辺を情報の輪で繋ぎ、博多中の情報を流し、行き来させるインフォメーションハブ「the Ring」を提案しました。
Cチーム:移動-info-rest ゆっくりと安全に移動できるゆとりある移動空間 ki
多くの人が足早に行き交う博多駅。その大きな人の流れの中、立ち止まり案内板を眺める外国人や、自分たちのペースで移動する障がい者の姿。ここでは、それらの人々は異質な存在として扱われています。この問題を解決するキーワード、それは「必要情報量」と「移動速度」
の関係です。つまり、先を急ぐ人々(quick users)にとって情報は少ない方が良く、ゆっくり移動する人々(slow users)には多くの情報が必要ということ。導き出した答えは「情報の森(ki)」を配置することによる「それぞれの移動(slow transition)」の実現です。これは、slow usersへの提案がquick usersにも安らぎを与える計画です。
Dチーム:防災-博多シティ避難所化計画 博多シールド
「災害時に逃げ込める場所」として意識をデザインします。
博多シティは非常時に「博多シールド」となります。博多駅には災害時に必要な場・情報・人の全ての要素が揃っています。私達はそれら全ての要素を最大限に活かすための「シールド」を提案します。
・安全であることを示すアイコンとしての「シールドエリア」。日頃から博多駅が安全であるということをみんなに知ってもらいます。
・そこに居ることを確認・発信するツールとしての「ココニイルカード」。統一フォーマットと駅の柱を利用することで生存情報を効率よく発信します。
・人々がパニックに陥らずに頼れるシールドパーソンとみんなが力を合わせる「ゴレンジャーゼッケン」。非常時に誰を頼まればよいのか、誰が何をできるのかが一目で分かるようにします。
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ユニバーサル都市・福岡デザインチャレンジ2012
日時
2012年10月5日から7日まで