九州大学×国立台北科技大学×西南交通大学「日中台レジリエンスデザインのワークショップ」
2018年12月20日~2018年12月22日
九州大学は、2016年より、中国の西南交通大学・四川芸術大学・中央美術学院・北京理工大学・四川師範大学、台湾の台北科技大学と連携した取り組みを実施してきました。
日本(福岡)・台湾・中国(四川)はともに大きな災害を経験しています。2018年度は、こうした地域の3大学、西南交通大学・国立台北科技大学・九州大学が集まってワークショップを実施しました。本学より学生12名、国立台北科技大学より学生3名、西南交通大学より学生2名が参加しました。
ワークショップの内容は、2017年7月の九州北部豪雨に対する復興支援プロジェクトを対象としたもので、「あさくら杉おきあがりこぼしの絵付け」と「被災地の産業への具体的なデザイン提案」を行いました。
初日に朝倉市、東峰村を訪れ、被災地と地域産業の視察見学を行いました。
2日目の午前中には、各大学より自国の災害状況の報告と復興へのデザインの関わり方の発表があり、台湾の伝統木工産業について陳教授(国立台北科技大学)からご講演をいただきました。
午後からは、皆でアートの力で朝倉の復興を支援しようという取り組み「あさくら杉おきあがりこぼし展」のおきあがりこぼしの絵付けを行いました。その後、具体的なデザイン提案として「あさくら杉の廃材を活用したアロマオイルのパッケージ提案」のグループワークを、3大学の混成チーム3つに分かれて実施し、3日目に各グループが発表を行いました。
3グループに共通して見られたのが、無駄のないデザインでした。例えば外装が収納やオイルを楽しむ際にも使えるようなものや、緩衝材をそのままアロマディフューザーとして使えるもの、廃材をさらに活用してパッケージの素材として使えるもの等のアイデアが出されました。さらに、被災地や近隣地域のほかの伝統工芸技術をデザインに取り入れるという、仕組みの展開につながるアイデアも出されました。
初めて会う学生たちでしたが、「被災地経験」と「デザイン」が共通言語となりとても充実した3日間となりました。
今回の連携を通じて、連携先大学からは、これからも3大学でのアライアンス的な連携の構築や、より具体的継続的な教育プログラムの推進の希望が出ました。本学としてもこれを機に、学生間(特に博士)の交流の強化や共著論文の執筆などに取り組んでいきます。
[登壇者]
陳殿禮 国立台北科技大学教授(台湾)
[主催]
九州大学、国立台北科技大学、西南交通大学
日時
2018年12月20日~2018年12月22日
場所
九州大学大橋キャンパス デザインコモン2F
福岡市南区塩原4-9-1
お問い合わせ
九州大学大学院芸術工学研究院尾方研究室
Member
- 尾方義人 准教授 九州大学大学院芸術工学研究院