第1回デザイン×ビジネス×アントレプレナーシップの未来を考えるセミナー『イチゴ一粒に 1,000 円を超える価値を生み出す』を開催しました
2019年10月24日
九州大学芸術工学研究院、ビジネススクール(QBS)、アントレプレナーシップ・センター(QREC)は第1回デザイン×ビジネス×アントレプレナーシップの未来を考えるセミナーとして、株式会社GRA創業者の岩佐大輝氏をお迎えし、『イチゴ一粒に 1,000 円を超える価値を生み出す』をテーマにお話を伺いました。会場には学内外から40名ほどの参加者を迎え盛況となりました。以下、本学大学院経済学研究院の松永正樹が当日の様子をお伝えします。
岩佐氏は学生時代からIT系の会社を立ち上げた連続起業家であり、2011年3月11日に発生した東日本大震災によって壊滅的打撃を受けた宮城県山元町の出身です。GRAは、農業生産法人とNPO法人という二つの側面を併せ持つ次世代型組織であり、地域の特産品である高級イチゴの生産・加工販売を通じた山元町の復興をミッションとしています。
セミナーでは、これらの岩佐氏およびGRAに関するストーリーに加え、ベンチャー創出を通して地域振興をはかるうえでの要点として、取り扱う産品をめぐる市場の産業特性や関連マーケットの歴史的推移、ブランディングの要諦とそのなかでのデザインの役割、ベンチャービジネスを立ち上げ成長させていくうえでのリスクへの向き合い方、イノベーションを通して新たな価値を創出するための姿勢としてのアントレプレナーシップとより具体的なアプローチと留意点、等について実例をまじえながらご説明頂きました。「行動こそが、価値を生む”No action, no future”」というメッセージととも岩佐氏のプレゼンテーションが締めくくられると、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
プレゼンテーションに続く質疑応答では、GRAが創出し、いまでは一粒に1,000円を超える値がつくまでになった「ミガキイチゴ」のブランディングから、国内のみならずインドやレバノンなど海外数カ国にまたがる組織へと成長したGRAを支える人事戦略やリーダーシップ、さらには事業成長を仕掛けていくうえでの資金調達とリスク管理など、多岐にわたる質問が相次ぎました。終了時刻を迎えた後も、岩佐氏と対話を続ける参加者が列をなすなど、熱気あふれるセミナーとなりました。
登壇者
岩佐大輝 Hiroki Iwasa
1977年、宮城県山元町生まれ。日本および海外で複数の法人のトップを務める起業家。2002年、大学在学中にITコンサルティングサービスを主業とするズノウを起業。2011年の東日本大震災後は、壊滅的な被害を受けた故郷山元町の復興を目的にGRAを設立。先端施設園芸を軸とした「東北の再創造」をライフワークとするようになる。農業ビジネスに構造変革を起こし、ひと粒1000円の「ミガキイチゴ」を生み出す。 著書に『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』(ダイヤモンド社)、『甘酸っぱい経営』(ブックウォーカー)、『絶対にギブアップしたくない人のための成功する農業』(朝日新聞出版)がある。
日時
2019年10月24日18:30-20:30
場所
九州大学大橋キャンパス7号館ワークショップルーム
福岡市南区塩原4-9-1