第5回デザイン x ビジネス x アントレプレナーシップの未来を考えるセミナー『自らの思いをデザイン思考・UXで実現する社内起業活動-ゲームチェンジャー・カタパルト-』を開催しました
2020年2月6日
九州大学芸術工学研究院、ビジネススクール(QBS)、アントレプレナーシップ・センター(QREC)は第5回デザイン×ビジネス×アントレプレナーシップの未来を考えるセミナーとして、パナソニック株式会社 アプライアンス社 Game Changer Catapult代表の深田昌則(ふかだ・まさのり)氏をお迎えし、『自らの思いをデザイン思考・UXで実現する社内起業活動-ゲームチェンジャー・カタパルト-(テーマ:大企業xイノベーション)』をテーマにお話を伺いました。会場には学内外から出席者数は33名の参加者を迎え盛況となりました。以下、本学大学院芸術工学研究院の徳久悟が当日の様子をお伝えします。
今回は、深田氏によるプレゼンテーションセッションと質疑応答セッションを交互に織り交ぜた形式を採用しました。
まず、プレゼンテーションセッションでは、世の中の変化として、消費者の変化、商品の変化、製造プロセスの変化、流通プロセスの変化について事例とともに紹介されました。このような変化の中で求められるのは、Dr. John Seely Brown氏の理論を踏まえた学習能力を軸とした戦い方です。
つづいて、パナソニック株式会社の企業内アクセラレーターである「Game Changer Catapult」の取組について紹介されました。2017年に開始した「Game Changer Catapult」は、未来の「カデン」をデザインすることを目的としており、2019年で4期目。すでに120のプロジェクトが生まれています。「Game Changer Catapult」で生まれた新規事業のプロトタイプは、事業部にや事業開発センターによる引き取りといった方法があります。さらにベンチャーキャピタルとパナソニック・アプライアンスの合弁会社であるBeeEdgeが投資を行い、事業会社化するといった事例もすでに2件ほど生まれています。
プレゼンテーションに続く質疑応答セッションでは、会場の参加者からの直接質問に加えて、slidoに投稿された質問をモデレータが選定しました。以下は主な質疑応答の内容です。
・Game Changer Catapultを立ち上げるに至った経緯、経営陣を説得するポイント
・Game Changer Catapultを運営する際の苦労、および、感じられているジレンマ
・大企業内から新規の事業会社への知財移転
・中小企業がオープンイノベーションを実現するために求められるポイント
質疑応答セッションの中では、大企業における新規事業と働き方改革の間で生まれるジレンマについてお話いただきました。新規事業を立案する場合、働き方改革で求められるような短時間かつ平日のみの労働環境では実現が難しいとする一方で、長時間労働による社員の肉体的・心理的負担にも運営側の十分なケアが必要なことを示されました。
[登壇者]
深田 昌則 Masanori Fukata(Game Changer Catapult 代表[パナソニック株式会社 アプライアンス社])
1989 年パナソニック入社。入社後、AV 機器の海外マーケティング、海外市場向け宣伝マネージャー、オリンピックプロジェクト・リーダー、パナソニック・カナダ市販責任者などを経て、2016 年からは、パナソニックで「未来のカデン」をカタチにする活動「Game Changer Catapult( ゲームチェンジャー・カタパルト)」の代表を務めている。
日時
2020年2月6日(木)開場18:00開演18:30
場所
九州大学大橋キャンパス デザインコモン 2F
福岡市南区塩原4-9-1
お問い合わせ
九州大学大学院芸術工学研究院 研究院長戦略室
tanoue.chiharu.215(a)m.kyushu-u.ac.jp