九州大学大学院芸術工学研究院とニューサウスウェールズ大学建築環境学部の教授が共同で2日間にわたるシンポジウムを開催し、3日目に実地見学を実施しました。
このシンポジウムは、高齢者に優しい環境デザインと計画に関する部分的な考察を単に集めたものではなく、広範囲にわたって検討することを目的としました。シンポジウムでは日本、中国、オーストラリア、ニュージーランドなど西アジア太平洋地域から選ばれた数カ国の研究者からの寄稿も披露されました。
高齢化は多くの国に共通して、様々な複雑性を伴った高齢化に起因する多くの問題が生じています。このシンポジウムでは、高齢化と住宅の問題に関する知識が豊富な世界的に活躍する専門家を招き、彼らの専門知識を活かして、共通の目標に向けた革新的かつ実用的なアイディアが活発に交換されました。
部屋、住居、近隣から地域における問題に関する様々な研究結果が発表され、討議されました。討議されたトピックには、自立高齢者が日常活動を維持できるような安全な住宅環境の設計方法、機能的な家にするために消費者を支援する方法、オーストラリアにおける住宅の類型と進行中の高齢化、住居や都市を悪質なものから良質なものに変えるハード面とソフト面のデザイン、中国都市部の高齢者施設と地域住民との間の対立の原因と解決策の分析、都市近郊地域における高齢化:人口動態、高齢者に優しい都市型計画とその課題、スペインや日本の山あいの村の高齢化と過疎化などがありました。
オーストラリア、ニュージーランド、中国、日本からの代表によるパネルディスカッションでは、各国で進む高齢化のための住宅設計の現状に関する見解が示され、可能な解決策を模索して意見交換が行われました。
3日目には、九州大学の環境適応研究実験施設と居住空間実験住宅の見学が、村木教授の引率で実施されました。
環境適応研究実験施設の主な目的は健康的な環境適応に必要な条件を明らかにすることであり、全部で9つの人工気候室 (高低圧実験室、水浸実験室、照明実験室、複合実験室、温熱実験室、居住実験室、熱放射実験室とつの防音・電波シールド実験室)が備えられています。居住空間実験住宅では、3Dアナライザーを用いた動作分析や住居内の日常活動に関する生理学的測定が行われています。
その後、田上教授が引率して室見団地(福岡県)を訪れ、団地で高齢化に伴う問題に直面している居住者に会ってお話を伺いました。
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