九州大学大橋キャンパスでは、教職員が利用するメールボックス室を「Mail & Coffee」として、2018年秋にリノベーションしました。郵便物を受け取るだけの空間ではなく、教職員同士が気軽に話をしたり、コーヒーを飲みながら簡単な打合せをしたり、と教職員の交流の場となるように設計しました。
今回のリノベーションでは、持続可能な開発目標であるSDGsのゴール12「つくる責任つかう責任」をテーマとして、リユースやアップサイクルによる空間づくりをし、キャンパス内でもSDGsの活動に取り組みました。
使用した家具は、九州大学箱崎キャンパスで使用されていた、廃棄予定の家具や照明器具を再利用したもの。九州大学箱崎キャンパスは、1911年に九州帝国大学として創立され、100年余り人々に親しまれてきましたが、2018年秋に九州大学伊都キャンパスへ移転しました。この移転に伴って不要になった家具を、大橋キャンパスの「Mail & Coffee」へ設置し、新しい空間の中で蘇りました。
またメールボックスの各扉に設置した名札は、2017年7月に九州北部豪雨で被災した福岡県朝倉市の流木を利用して制作し、使用感のあった扉に新たな表情を加えています。
リユースやメンテナンスをするのは手間がかかるが、モノの寿命が長くなります。生まれ変わったモノは、新たな場所で新たなストーリーを紡いでいきます。
設計・デザイン:Atelier koma一級建築士事務所 松井 大佑
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- 紫尾 陽子 九州大学大学院芸術工学研究院