2021.4.5

第1回セミナー『デザイン教育と文化のデザイン』

デザイン教育はいま、いかにあるべきか。京都大学の山内裕氏をお迎えして、サービスデザインのうちに内在する文化や教育の契機について議論を行いました。山内氏によれば、サービスというのはたんに奴隷のように顧客に奉仕するだけでは不十分で、顧客の知性や感性を凌駕する地点から顧客に挑戦する必要があるといいます。それによって顧客は、自らが知らない世界へと開かれ、いうなれば試され、教育される。サービスの提供者であるデザイナーとそれを享受する顧客との共創のうちに価値が生まれる。

このことを山内氏は、ヘーゲルの「主人と奴隷の弁証法」ならびにフッサール現象学の「相互主観性」などの概念を用いて説明しました。山内氏の言葉では、サービスとは「闘争」なのです。これに対して、デザイナーのエリート主義を問題視する田村大氏が「文化のデザイン」という観点から様々に問題提起をしました。

招聘講師

  • 山内 裕 (京都大学経営管理大学院准教授)
  • 田村 大(株式会社リ・パブリック共同代表。東京大学i.school共同創設者エグゼクティブフェロー。九州大学客員教授、北陸先端科学技術大学院大学客員教授)

参照URL (日本語・英語ページあり)