2021.4.5

第18回セミナー『文学の「もの」・「もの」の文学―菅原道真の美学を求めて―』

「文学」は、写本・印刷・肉声と様々な形を媒体とするためか、それとも複写可能な作品から形成されているためか、近代以降広く他の芸術とは本質的に異なる「無形」の芸術と定義されてきました。しかし近年、日本文学を始め文学研究において文学作品も有形の「もの」として扱う傾向が目を引きます。本講演では、このような方法論からヒントを得て前近代の文学作品に焦点を当てながら、特に菅原道真の漢詩文に集中して(前)近代の美学の変遷を追求し、このような比較研究をとおして我々現代人が抱いている美感覚、とりわけオリジナリティの必然性や作品の内面性を問題にしたいと思います。

招聘講師

  • ニールス・ファン・デル・サルム(ライデン大学講師)

参照URL (日本語・英語ページあり)