K2は、九州大学大学院芸術工学研究院と韓国のid KAISTの連携により2017年春に始動する、アジア発のデザインラボです。両校の持つ国際ネットワークを礎に、世界の第一線で活躍する研究者、デザイナー、技術者、思想家、ビジョナリーが交わり、イノベーション創出、ビジョン提案、先進クリエイティブ教育の推進などに向け、グローバルな視座からプロジェクトを立ち上げ、産官学民の協働を通じて実現していきます。
「Designing Future Cities」をテーマに、大学と企業が連携し、未来の都市を構想する実践プロジェクトをスタジオ形式で開催します。総合ディレクターに、Helsinki Design Labなど先駆的な都市イノベーションを数多く手がけてきたブライアン・ボイヤー氏を迎え、九州大学、KAIST、及び世界トップクラスの大学から大学生と教員が集まり、企業と協働して未来を考える1週間です。
ブライアン・ボイヤー(Dash Marshall共同創業者・パートナー)
ストラテジックデザイナー。行政のイノベーションやアントレプレナーシップ、現代建築など活動領域は多岐にわたる。都市と建築が作られる過程、そこに関連するあらゆることを対象領域として活動している。
クンピョー・リー(KAIST教授)
LGエレクトロニクスで副社長を務め、現在はid KAIST学科長、教授。イノベーションや未来のデザインの枠組みを見据えた、人間中心デザインを率先している。
池田美奈子(九州大学大学院芸術工学研究院准教授)
デザイン誌の編集者を経て、IIDj (Institute for Information Design Japan)を共同設立。編集・情報デザインの分野を中心に活動する。ドイツ大使館やドイツ文化センターなどの異文化間のコミュニケーションデザインに携わる。現在、九州大学大学院芸術工学研究院准教授。専門は、情報編集デザイン、デザイン史。近年は伝統産業を現代に生かすデザインの実践と理論化に取組んでいる。編著書に『編集デザインの教科書』『日本デザイン史』『情報デザイン』など。
田村大(RE:PUBLIC共同創業者・共同代表)
株式会社リ・パブリック共同代表。東京大学i.school共同創設者エグゼクティブ・フェロー。人類学的視点から新たなビジネス機会を導く「ビジネス・エスノグラフィ」のパイオニアとして知られ、現在は、福岡をベースに地域や組織が自律的にイノベーションを起こすための環境及びプロセス設計の研究・実践に軸足を置く。著書に「東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた」(早川書房)など。
Design Fictionアプローチによる未来デザインの実施
Themes
福岡の2030年における
ホーム / モビリティ / コミュニティ / 学ぶ / 働く / 安らぎ
Pre-work
- テーマに沿った文献調査 - テーマに沿った質的調査 - 福岡についての調査
2/12(日) | 事前に福岡のいろいろを知っておこう プログラム例 - 太宰府アート巡り - 福岡の屋台ツアー |
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2/13(月) | understanding the world ウェルカム EXERCISE:イントロダクション キックオフ・プレゼンテーション フィールドワーク PIN UP:発見 |
2/14(火) | sketching the future フィールドワークの分析と洞察 SHARE OUT:洞察 EXERCISE:What ifs... EXERCISE:ラビッドアイデア出し EXERCISE:行政サービスのデザイン/ ポスター制作 PIN UP:全ポスター |
2/15(水) | storyboarding PRESENTATION:デザインフィクション にはどんなストーリーがいいのか? EXERCISE:ストーリーボードを始めよう PINUP:ストーリーボードと仕事の分担 |
2/16(木) | production イメージ制作 SHARE OUT:進捗状況 |
2/17(金) | production イメージ制作 SHARE OUT:クールなイメージと シーン |
2/18(土) | presentation シンポジウム |
私たちは3つのコンセプトを考えました。1つ目はアクセシビリティーの提供です。将来の公共サービスシステムは、より柔軟なものになるでしょう。2つ目は家族的なマインドフルネスです。現在人々は、自宅で家族や親友に、面倒を見てもらったり支援を受けたりすることができます。未来の都市では、街全体に、面倒を見てもらったり支援を受けたりすることができるようになると考えています。3つ目は感情面における擁護者です。街と人々の間に、より感情的な関係が築かれるようになります。これが私たちの考える、未来の街のコンセプト、Aアイ・シティー(A-Eye City)です。
「どうすれば福岡に分散型のインフラを築き、人々に流動的なサービスやサポートシステムを提供することができるか」。私たちは、サービスへのアクセス方法を増やすプラットフォームを提案したいと思います。『Already There(すでにそこにある)』は、どこからでもサービスにアクセスすることを可能にし、必要なものを提供するサービスです。
私たちは、特にある一部の市民、つまり認知症に苦しむ市民を対象とし、システムを革新的なデザインに仕上げることに焦点を当てました。新テクノロジー、人工知能(AI)、スマート材料を使用したスマートシステムで自宅や外出先で患者を支援し、またサービスシステムによって患者ができる限り普通の生活を営むことのできる社会を提供します。
「TasukeAI」は人工知能を始めとするテクノロジーやロボティクスのような未来のテクノロジーを使って、若者に成長の過程で直面する困難に対して助言します。システムはまた、孤立している高齢者たちが仲間になる場を提供し、そこで生じるインタラクションから行政のためにデータを収集し続けて学習し、市民に行政サービスを提供します。そして、何より私たちは、テクノロジーを使い、高齢者から若者まで知恵を共有する大規模なプラットホームを提供する「TasukeAI」を手にするのです。
2030年の福岡。働き方は間違いなく変わると私たちは考えています。プロジェクトベースの仕事は一般的になり、私たちは、絶えず繰り返し未経験者になります。いつも新人であり、コミュニティーの新顔です。素晴らしいスキルを持っているだけでは十分ではありません。適時に適所にいることが本当に大切であることを誰もが知っているので、社会の動きを作ることが重要です。
どうしたら簡単に新しいコミュニティーに加わることができるでしょうか? 「スキルズグリッド(Skills Grid)」と名づけた私たちのソリューションをご紹介しましょう。
「PoM CALシステム」は、ストレス、生産性、創造性のバランスを真剣に考えさせてくれます。私たちは、創造性と生産性を維持するための仕事と休養のバランスを考えた持続可能な都市生活スタイルを創造したいと思います。「PoM CALシステム」により、都市全体で柔軟に勤務時間を調整できるようになります。このシステムは、2つの重要な機能を持っています。1つはストレスを測定すること、もう1つは休日に関する福利厚生です。スマート材料を使用して、すべての日常項目のデータを人々から収集するプラットフォームにします。一般のカレンダーは週休2日になっていますが、都市レベルで創造性を損なうようなストレスの上昇がある場合、市は勤務日を休日に変更します。ストレスと創造性とのバランス調整が必要となるたびに、市は休日を変更することになります。我々のプロジェクトは、2030年の福岡で人に優しい働き方を実現する大きな力となるでしょう。
講演者に米国スタンフォード大学からバリー・ケイツ教授、KAISTからクンピョー・リー教授を迎え、「イノベーション生態系としての都市」を切り口に、シリコンバレー、東アジア、そして福岡での展開や今後の可能性を探ります。
併せて、Designing Future Citiesをテーマにした「K2 Winter School 2017」の成果発表とトークセッションも開催します。
12:30- | 受付 |
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13:00-13:20 | 挨拶:安河内朗(九州大学大学院 芸術工学研究院長) K2の概要説明:池田美奈子(九州大学准教授) |
13:20-15:25 | K2ウィンタースクールについて:ブライアン・ボイヤー(Dash Marshall) ウィンタースクール成果発表:参加者 講評:バリー・ケイツ(スタンフォード大学、CCA教授)、クンピョー・リー(id KAIST学部長)、池田美奈子他 |
15:25-15:40 | 休憩 |
15:40-16:10 | 講演「イノベーションの生態系−シリコンバレーからの学び」:バリー・ケイツ |
16:10-16:40 | 講演「都市イノベーションーhow to make and remake the city」ブライアン・ボイヤー |
16:40-17:10 | 講演「デザイン3.0」:クンピョー・リー |
17:10-17:20 | 休憩 |
17:20-18:20 | トークセッション「Designing Future Cities」:バリー・ケイツ、クンピョー・リー、ブライアン・ボイヤー、平井康之(九州大学教授)他 モデレーター:田村大(RE:PUBLIC) |
バリー・ケイツ
デザイン、イノベーションを専門とする研究者、執筆家、大学教授。スタンフォード大学やカリフォルニア美術大学で教鞭をとる傍ら、IDEO等で企業や行政のコンサルティングなど活動は多岐にわたる。
クンピョー・リー
LGエレクトロニクスで副社長を務め、現在はid KAIST学科長、教授。イノベーションや未来のデザインの枠組みを見据えた、人間中心デザインを率先している。
ブライアン・ボイヤー
ストラテジックデザイナー。行政のイノベーションやアントレプレナーシップ、現代建築など活動領域は多岐にわたる。都市と建築が作られる過程、そこに関連するあらゆることを対象領域として活動している。
平井康之
京都市立芸術大学卒業後、コクヨ株式会社にデザイナーとして勤務の後、アメリカのデザインコンサルタント会社IDEOにシニアデザイナーとして勤務。2000年、九州芸術工科大学(現・九州大学)助教授を経て、現在は九州大学大学院芸術工学研究院教授。さまざまな企業のコンサルタントや共同プロジェクトにおいて、人間中心デザインアプローチであるインクルーシブデザインやデザイン思考を実践・研究している。
マルコ ファン ホウト
アムステルダム応用科学大学メディアラボアムステルダムのデザイン&リサーチ主任。「無駄のないデザイン」をミッションとし、デザイン手法の共通言語となるツール「Design Method Toolkit」や「SCREAM」を開発。クリエイティブ産業やコミュニティにおけるデザインの過程で生まれた洞察や思考、プロトタイプを無駄なく積み重ね、世界規模の課題に取り組むための知識を共有することに取り組んでいる。
※ このファイルの容量は54MBです。
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