この度、九州大学芸術工学部音響設計学科藤枝・城研究室では、現在来日中のメディアアーティスト ポール・デマリニス を迎えたワークショップとトークセッションを行いました。1970年代初頭から、メディアテクノロジーを駆使して活動しているポール・デマリニスは、忘れかけられた過去の技術に着想を得た「音響メディアのもう一つの進化」とも言える、数々の作品を生み出しています。今回のワークショップでは、再構成されたスピーカと閉回路からなる彼の近作”Jiffy POP (2013)”を題材に、音を鳴らす、ということの意味を問い直しました。またトークセッションでは、技術、美学の双方の視点からこれまでの作品を歴史的に振り返り、今の私たちを取り巻く環境における、そのメディア考古学的な意味・価値を論じました。
プログラム:
16:30-18:00 ワークショップ参加費無料(先着順)
18:30-20:00 トークセッション入場無料(聞き手:藤枝守、城一裕)
主催:九州大学芸術工学部音響設計学科 藤枝・城研究室
ポール・デマリニス Paul DeMarinis
1971年からメディア・アーティストとして活躍し、多数のパフォーマンス作品、音響およびコンピュータインスタレーション、インタラクティブ作品を発表。コンピュータを使用して作品を制作した最初期のアーティストの1人。The Kitchen(ニューヨーク)、Festival d’Automne(パリ)、Het Apollohuis(オランダ)、Ars Electronica(リンツ)などで国際的に活動する他、マースカーニングハム・ダンスカンパニーの音楽を制作。彼のインタラクティブな音響作品は、NTT ICC(東京)、Bravin Post Lee Gallery(ニューヨーク)、SFMOMA(サンフランシスコ)、上海ビエンナーレ2006などで展示。2006年にはArs Electronicaのゴールデン・ニカ賞を受賞(Interactive Art)。人のコミュニケーションとテクノロジーとの境界領域を対象として作品を制作。主な作品は、光学とコンピュータを用いてフォノグラフの記録からレーザー光を用いた新たな音を生み出す「The Edison Effect」、肌と電気の相互作用から音楽を作り出す「Gray Matter」、コミュニケーションにおける電気の逸話を再吟味する”The Messenger”、水や火を持ちいて音楽と言葉を生成する「RainDance」、「Firebirds」など。エクスプロラトリアム、ゼロックスパロアルト研究所のアーティスト・イン・レジデンスを経て、現在スタンフォード大学芸術学部教授。
https://web.stanford.edu/~demarini/
※ 本ワークショップ・トークセッションは日本学術振興会科研費・若手研究(A)「ポストデジタル以降の音を生み出す構造の構築」(JP17H04772)の助成を受けたものです。
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jo@design.kyushu-u.ac.jp(城)