九州大学大学院芸術工学研究院は、デザインの体系化を目的としデザイン学の基礎論に取り組んでいます。この度、ライデン大学講師のNiels van der Salm氏をお招きし、第18回デザイン基礎学セミナー『文学の「もの」・「もの」の文学―菅原道真の美学を求めて―』を開催しました。なお、講演は日本語で行われました。
「文学」は、写本・印刷・肉声と様々な形を媒体とするためか、それとも複写可能な作品から形成されているためか、近代以降広く他の芸術とは本質的に異なる「無形」の芸術と定義されてきました。しかし近年、日本文学を始め文学研究において文学作品も有形の「もの」として扱う傾向が目を引きます。本講演では、このような方法論からヒントを得て前近代の文学作品に焦点を当てながら、特に菅原道真の漢詩文に集中して(前)近代の美学の変遷を追求し、このような比較研究をとおして我々現代人が抱いている美感覚、とりわけオリジナリティの必然性や作品の内面性を問題にしたいと思います。
[登壇者]
ニールス・ファン・デル・サルム Niels van der Salm
オランダ生、ライデン大学日本学科講師。2012年~2013年に九州大学、JLCCプログラムにて語学留学(日本語研修)。2015年~2016年に東北大学文学研究科日本思想史研究室にて研究生。2018年にライデン大学西洋古典文学研究科の修士号と同大学日本研究科の修士号を取得。研究テーマは平安前期の漢詩文の世界とその近現代的受容。論文に「Michizane’s Other Exile? Biographies of Sugawara no Michizane and the Praxis of Heian Sinitic Poetry」(九州大学JAH-Q学術誌、未刊)がある。
[主催]
九州大学大学院芸術工学研究院
[共催]
芸術工学部未来構想デザインコース
日時
2021年1月28日(木) 開場16:00 開演16:30
場所
オンライン
参加料
無料
お問い合わせ
デザイン基礎学セミナー事務局 九州大学大学院芸術工学研究院 古賀徹
designfundamentalseminar@gmail.com